介護保険って何?お金がもらえるの?

親の介護が必要になったら、まず検討すべきことが介護保険の利用です。介護保険は、市区町村が保険者となり、保険料を払うのは40歳以上の日本国内に住所がある人すべてで、高齢者を支える制度です。この制度を利用できるのはその全員ですが、64歳までは利用制限があるので、中心は65歳以上の高齢者になります。

安心して介護や医療のサービスが受けられる

介護保険制度は、急速な高齢化に対応するために2000年4月にスタートしました。2000年に施行されて以来、たびたび改正が行われ、2014年6月には医療介護総合確保推進法(正式名称「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律に関する法律」)が成立。住み慣れた地域で、安心して医療や介護などのサービスを総合的に受けられるシステムの構築を目指しています。

40歳以上の全員が保険料を払い、介護サービスを受けられる保険。お金は出ない。

介護保険では、お金は出ません。心身に障がいを持った高齢者がその人らしく暮らせるようにサポートするしくみが用意され、必要に応じてそれを利用するというものです。

2000年より前の高齢者福祉は、主に低所得者向けのものでした。中間層以上は家族介護が当然とされ、介護者が疲れ切ってしまう状況や、自宅で面倒を見る人がいないために治療が必要なくても退院させられない入院患者が課題となっていました。

そこで介護が必要になっても自立した生活ができるように、国民みんなで支える仕組みとして登場したのが介護保険制度です。介護保険の運営は市区町村が主体です。市区町村は、国によって制定された基本方針に則って、介護保険事業計画を策定、運営します。運営に必要な経費の50%が公費、残りの50%が被保険者である40歳以上の人の保険料でまかなわれています。被保険者が負担する保険料は、加入する医療保険の種類や住まいのある市区町村、所得などによって異なります。

まとめ

40歳以上の全国民に介護保険料を支払う義務があります。運営経費の50%は公費で負担しています。お金はもらえませんが、介護をサポートするサービスを利用できます。介護保険に用意されている仕組みを使いこなし、必要な時にはしっかりと利用しましょう。介護生活は誰にでもやってきます。その支えになってくれるのが、介護保険なのです。

記事協力:高齢生活研究所代表 浜田きよ子さん
出典:浜田きよ子著「介護の常識」講談社
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