最初が肝心!初めてヘルパーが来る日の注意点

ホームヘルプサービス開始の日は、実際に介護などを担当するヘルパーと一緒に、サービスを提供する事業所の責任者、ケアプランを作成したケアマネなどが来る場合が多いでしょう。トラブルが起きたときに備えて、この顔合わせは大切です。サービス内容とその手順についてもしっかりと確認しておきましょう。

ヘルパーに家の中の説明を。緊急連絡先、貴重品の管理も忘れずに。

顔合わせが終わったら、さっそく家の中を案内しましょう。隅々までヘルパーを連れ回す必要はありません。本人の部屋と日中主に過ごす場所、キッチン、ダイニング、トイレ、洗面所、風呂、洗濯機置き場や物干し台のあるベランダなど、これから使ってもらう場所を重点的に見て回るといいでしょう。

合わせて、何がどこにあるか、日ごろの家事のやり方などを説明します。その家ならではの注意すべき点、たとえば、『開けにくい洗面所の扉は、ノブを回して下に押すようにするとスムーズに開く』などのコツがあれば伝えておきましょう。家族不在時の携帯電話など緊急連絡先を知らせることと、貴重品の管理も忘れずに。大事なものは金庫や鍵のかかる引き出しにしまうのが、無用なトラブルを防ぐコツです。

ヘルパーにはお茶もお菓子も出してはいけない

ヘルパーに聞くと、茶菓が出されて「話し相手になって欲しい」と言われることが珍しくないといいます。しかし、「依頼されたサービスの中に入っていないこと」をヘルパーがするのは禁じられています。つまり、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりしてはいけない決まりになっているのです。

ある例では、断りきれずお茶をつきあい、さらに夕食も誘われ、ヘルパーは「ひとりで食事をするのは寂しいのだろう」とつきあっていました。ところが、それがいつの間にか利用者にとっては負担になっていたのです。あるとき突然、事業者に「あのヘルパーには毎回夕食を用意しなければならないので、断りたい」という連絡が入ったといいます。善意でしていたヘルパーにとっては寝耳に水でしたが、意外とありがちなことなのです。

人間対人間なので、ついお茶を出したくなるのもわかります。でも、依頼されたサービスを時間内に済ませなければならないヘルパーにとっては「ありがた迷惑」くらいに考えた方がいいのかもしれません。

まとめ

ホームヘルプサービス開始の日は、トラブルが起きた時に備えて、介護などを担当するヘルパー、事業所の責任者、ケアプランを作成したケアマネの顔合わせが大切です。サービス内容と手順についてもしっかり確認しておきましょう。

本人の部屋と日中主に過ごす場所、お風呂やトイレなどの水回り、洗濯機置き場や物干し台のあるベランダなど、これから使ってもらう場所を重点的に見て回り、何がどこにあるか、注意すべき点などがあれば説明しましょう。家族不在時の携帯電話など緊急連絡先を知らせることと、貴重品の管理も忘れずに。ヘルパーは、依頼されたサービスの中に入っていないことをすることは禁じられています。感謝の気持ちは言葉だけにとどめましょう。

記事協力:高齢生活研究所代表 浜田きよ子氏

出典:「介護の常識」講談社

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