薬剤師目線から見た「排泄に影響を及ぼす薬(排尿編)」

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高齢になると、尿が出にくい、また逆に頻尿や失禁、夜間に多尿になる、便秘がちになるなどの傾向がみられるようになります。しかし、その原因は加齢だけではなく、病気や服用している薬の影響も考えられます。薬剤師でおむつフィッター1級の千島已幸さんが書かれた本に、「排泄に影響を及ぼす薬」について書かれていましたのでご紹介します。

排泄に影響を及ぼす薬(排尿編)
排泄に影響を及ぼす薬(排便編)

膀胱の働きに影響を与える薬の作用

膀胱には「尿をためる(蓄尿)」と「尿を出す(排尿)」という機能があります。膀胱は自律神経によって調整され、アセチルコリン、ノルアドレナリンという2つの神経伝達物質が働いています。

  • ノルアドレナリン→膀胱内が緩んで広がり、尿道は収縮して尿がたまる
  • アセチルコリン→膀胱内がしぼみ、尿道が緩んで排尿する

膀胱に働きかけるノルアドレナリンやアセチルコリンは、薬によってその機能を阻害されることがあります。

アセチルコリンに作用する薬は、排尿困難を起こす恐れがあります。具体的には、抗コリン作用のある薬(膀胱の収縮をおさえ、尿がたまりやすくなる)とカルシウム拮抗剤(排尿筋を弛緩させ、尿がたまりやすくなる)があります。また、ノルアドレナリンに作用する薬は、排尿困難と頻尿・失禁を起こす恐れがあります。

排尿に影響をおよぼす薬剤について

<排尿障害を引き起こす薬剤>

排尿障害を引き起こす薬剤には、医療用麻薬(外用)、抗パーキンソン病治療薬、気管支拡張薬、抗精神病薬、筋弛緩薬、総合感冒薬、抗アレルギー薬、鎮咳薬、抗うつ薬(三環系、四環系、SSRI、SNRI)頻尿治療薬があります。

<頻尿を引き起こす薬剤>

頻尿を引き起こす薬剤には、気管支喘息治療薬、抗精神病薬、口腔乾燥症治療薬、降圧薬、抗てんかん薬、ビタミン剤、抗癌剤があります。

薬によっては、いろいろな作用を引き起こすものがあります。詳しくは医師・薬剤師に相談しましょう。

排泄に影響を及ぼす薬(排尿編)
排泄に影響を及ぼす薬(排便編)

まとめ

高齢になると、尿が出にくい、また逆に頻尿や失禁、夜間に多尿になる、便秘がちになるなどの傾向がみられますが、それは、加齢だけではなく、病気や服用している薬の影響も考えられます。排尿障害を引き起こす薬剤や頻尿を引き起こす薬剤を服用していないかを一度チェックしてみませんか?気になることがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

記事協力:クオール株式会社 薬剤師・おむつフィッター1級 千島已幸さん

出典:浜田きよ子監修・著「高齢者のQOLを高めて介護者の悩みも解決!おむつトラブル110番」メディカ出版

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