知っていると役に立つ「トイレのいろは」

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「安心して眠れる」「外出できる」など、前向きに心地よく暮らしていくために、おむつなどの便利な道具を上手に活用することも大切ですが、常時おむつの中に排泄していると、肌あれなどおむつ使用による問題が起きることがあります。尿モレがあっても、なるべくならトイレで排尿したいという思いを叶えるために、おむつに頼りきりにならない、住環境の工夫についてお話します。

できるだけ自立した排泄のために住環境を整える。

トイレが使えなくなる原因の一つに、トイレ動作の問題があります。トイレで排泄するまでの動作を分析すると、①トイレに行きたくなる ②トイレまで行く ③下着を下ろす ④便器に座る ⑤排尿・排便をする ⑥拭いて水を流す ⑦下着を上げる ⑧手を洗う ⑨部屋に帰るという一連の流れがあります。それらの一連の過程のどこが、どのようにできないのか、あるいはできるのかを知ることでトイレを使えなくなった原因がわかります。

トイレが使えなくなる原因をよくある相談から考えてみよう

  • トイレに行って準備が整うまでに間に合わずにモレる。
住環境1

の居室や寝室とトイレまでの動線に問題はないですか?トイレに行きたいと思うと我慢できないですぐにモレてしまう場合は、「切迫性尿失禁」の疑いがありますので、医師の診断を受け、病気があれば治しましょう。

  • 足腰が弱り、座る・立つの動作がむずかしい。
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の歩く速度が遅くなり、トイレに行くまでに時間がかかっているのかもしれません。足腰が弱ると便器に座る・立つことがしづらくなります。

  • 手先を使う細かい動作がむずかしい。
住環境3

⇒手先を使う細かい動作がむずかしくなると、のドアの開閉や、③⑦の衣服の上げ下ろしに手間取ってしまいます。また、のトイレットペーパーで拭いて水を流すことも不自由になります。

原因が明確になったら、解決策を検討しよう

このように、トイレに行けない原因が明確になったら、まずは「行きやすく、排泄しやすいトイレ」の工夫を行いましょう。

  • すぐ行けるトイレ

センサーライトを使って、夜でも足元を明るくしたり、三角板などで入り口の段差をなくしたり、手すりを付けたりすることで、事故の予防になります。認知症を発症したためにトイレの認識が困難な場合は、トイレの目印やドア表示をわかりやすくするとよいでしょう。

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  • 動きやすいトイレ

また、片マヒなどの場合は、扉を開けて出入りするという動作が難しくなります。入りやすい引き戸や開けやすい取っ手にすると出入りしやすくなります。トイレ内は、動作がスムーズになるように、「滑らない・つまずかない」工夫をしましょう。このほか、ヒートショック (室内の急激な温度差がもたらす身体への悪影響のこと。温度の急激な変化により、血圧が変動することで、失神・心筋梗塞・脳梗塞などを起こすことがある)対策のための暖房の設置などもリフォームのポイントです。万一に備えて呼び鈴やインターホンをつけるのもよいでしょう。

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  • 座りやすい便器

次に、便器に座りやすいように、本人のからだに合う便座の高さ、大きさに調整しましょう。便座の高さはやや高めにした方が、座りやすくて立ち上がりやすくなります。からだの安定と立ち上がりを助ける手すりの設置や足が引けるけこみ(便座の床近のくぼみ)があると、本人の自立支援、介助者の介護負担軽減にもつながります。

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  • おろしやすい衣服

最後に、衣類の着脱が困難な場合は、衣類・下着の工夫をします。ズボン・スカートも脱ぎやすくはきやすいものが必須です。普段使っている衣類に、上げ下ろししやすいようにロープを付ける、ボタンをホックに変えるなど、手作りの工夫も可能です。靴下をはく場合は、すべらないものを選びましょう。

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まとめ

介護生活を改善するトイレ豆知識をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?尿モレがあっても、なるべくならトイレで排尿したいものです。その思いを叶えるために、住環境の工夫を行いましょう。すぐ行けて動きやすいトイレ・座りやすい便器・下ろしやすい衣類など、トイレで排泄する動作の中で不具合のあるところを改善する工夫を行いましょう。

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