【車椅子視点のリアル】街中にあふれる車椅子を遮る“小さな壁”

rollstuhl

普通に生活する人にとっては気にならないことであっても、車椅子ユーザーにとっては「とても困る!」というシーンは、実はたくさんあるのです。意外と見落としがちな“小さな障壁”を車椅子ユーザーの体験をもとにご紹介します。

 

エレベーターで昇降する以前に、近づくことすらできない

★EV前

以前に身障者用の駐車場などに不正利用防止の目的で置かれている「工事用の三角コーン」は、実際に利用する車椅子ユーザー側にとっては“大きな壁になる”ということをご紹介しました。今回は街中にある車椅子ユーザーにとっての“小さな壁”をいくつかご紹介したいと思います。まずは、みなさんもよく利用される商業施設内にあるエレベーターでの事例。

その昇降ボタン前にゴミ箱が置かれていることがよくあります。これはゴミ箱を探す手間が省かれて利便性はとても良いものだと思います。けれども車椅子ユーザーはこのゴミ箱が置いてあることで、エレベーターの昇降ボタンに近づくことができず、ボタンを押すことができなくなってしまいます。近くに人がいない時は助けを求めることもできず、車椅子ユーザーは階段を利用することができないので、ただただ途方にくれてしまいます (苦笑) 。

 

オシャレも時には“障壁”となってしまう事実

★スーパー-EV

また、日常普通に利用するスーパーでも“小さな壁”はあります。従業員の方が品出しの作業をされている途中だと思われる荷台がそのまま売り場に放置されていて、通路をふさいでいることがしばしばあり、この場合健常の方でも邪魔に感じることがあるのではないでしょうか。荷台はたいてい端っこに放置されていますが、車椅子が通れるだけの幅は確保されていないので、目の前にある商品を手に取ることができずに遠回りして逆から商品をとるということも車椅子ユーザーの悩みの種でもあります。

そして最後に低層階の今どきの新しくてオシャレな造りの商業施設のエレベーター内の階数ボタンには泣かされてしまいます。オシャレで洗練されたイメージを大切にするために階数ボタンが上にありすぎて、とても車椅子の高さではどんなにあがいてもボタンを押すことはできず、たったそれだけのことで助けを呼ばなくてはいけなくなってしまいます。

 

少しの配慮で、楽になれる人たちがいる

介護・車椅子
日本では2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて道路の段差解消や公共交通機関でもエレベーターも設置率が高くなり、バリアフリー化が急速に進んでいると思います。それは車椅子ユーザーとしては日々肌で感じていてありがたいことです。

それでも車椅子ユーザーにとっては“小さな壁”がまだまだたくさんあって、街中のさまざまな所で“バリア”を感じることが多いです。

今回ご紹介した「エレベーター前のゴミ箱」や「スーパーの荷台放置」は個人レベルの優しさで防げるものだと思います。大きなバリアフリー化も必要ですが、車椅子ユーザーだけでなく、視覚障がいや聴覚障がいを持った人に対して、みなさん一人ひとりの優しさで解決できるバリアフリーも存在しています。周りで障がいを持った人を見かけたときに、ふとこのことを思い出していただけたらうれしいです。

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