介護に関わる全ての人にファッションショーで幸せを(後編)

利用者さん、介護職員さん、事業者さんのそれぞれの課題をファッションショーというカタチで解決した注目のプロジェクト「フクシル」。介護老人福祉施設で出張ファッションショーを企画・運営するポイントは、介護職の方々の働きがいや雇用問題と深いつながりがありました。プロジェクトが完成するまでと今後の展望について、フクシル株式会社の倉橋健太さんにお話を伺いました。

介護に関わる全ての人にファッションショーで幸せを(前編)
介護に関わる全ての人にファッションショーで幸せを(後編)

お年寄りと介護職の方に、ふれあいの時間を

「介護現場の皆さんは、利用者さんとふれあう時間を作りたいと努力されています。そんな介護職員さんと利用者さんが喜び合える瞬間を積み重ねることも、働きがいが得られる場面だと思います。ファッションショーではお年寄りが憧れる女優さんや服装の好みなど事前にヒアリング。利用者さんの新たな一面が発見できると、ご家族だけではなく介護現場の皆さんにも喜んでもらえます」と倉橋さん。ファッションショーの開催は、介護施設で働く人のモチベーションにもつながっているようです。また、ファッションショーを手伝う学生さんからも、介護施設の見学だけでは気づけない介護や福祉の魅力が理解できると好意的な意見が寄せられています。

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介助が必要な現場で大切にしたい、たくさんのふれあい

介護施設が主体となってファッションショーを開催できるようにサポートするため、衣装の貸し出しやノウハウの提供など裏方に徹するフクシル。「介護現場の方々には利用者さんと笑顔で過ごせる機会を。学生さんには福祉の楽しさや魅力を知ってもらえたら」という倉橋さんは、働きがいを感じることが、長く介護老人福祉施設で働いてくれる貴重な人材を育てていくことにつながると考えています。それには「就職活動を始めている人はもちろん、1年生の学生さんと介護老人福祉施設が中期的に関わっていくことが理想。ファッションショーがそういう機会になれば、良い介護福祉の世界を創っていくことにつながるはず」と倉橋さんは強い思いを持っています。

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ファッションショーを通じて、地域でお年寄りを支えたい

介護老人福祉施設の人々と交流できる場をもっともっと育てていくことで、介護老人福祉施設が地域の核になり、学生さんや家族だけではなく、介護に興味のある社会人なども含め、地域全体での交流が生まれ、あたたかい社会になることを目指しているフクシル。「踊れなくても、歌えなくても、車椅子でも、好きな服を着て音楽と一緒に歩くだけで、拍手喝采を浴びられるのがファッションショーのステキなところ。いろんなハンデがあっても、誰もが参加できるところが大好きなんですよね」と、地域でお年寄りを支える環境づくりへの貢献も新たに視野に入れて活動しています。

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介護に関わる全ての人にファッションショーで幸せを(前編)
介護に関わる全ての人にファッションショーで幸せを(後編)

【プロフィール】

フクシル株式会社 代表取締役 倉橋 健太さんfashion show 5

「インターン × 福祉 × ファッションショー」をコンセプトに、“おじいちゃんおばあちゃんとファッションショーをつくるインターンシップイベント”を主催する。「Changing the welfare.これからの福祉を変える。」をスローガン掲げるフクシルでは、「私たちがおじいちゃんおばあちゃんになったとき、 世界一イケてる福祉になっていてほしい」という想いを実現するため、福祉施設でファッションショーなどの活動を展開。1日だけのインターンシップ制度は学生も参加しやすく、福祉のやりがいにふれられると好評。施設の職員さんと力を合わせ、非日常空間を作り上げる体験が福祉業界への就職につながっています。

●問い合わせ メールアドレス:info@fukushiru.com
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