ずっと、おいしく楽しく食べてほしい! 高齢者の「食べるチカラ」を引き出しましょう。

介護士

通常、私たちが当たり前のようにとっている食事ですが、食欲がない、うまく飲み込めないなど身体的変化をともなう高齢者の方々にとっては、「食べる」ことが負担となることが多々あります。食べる意欲、箸やスプーンを持つ力、そしゃくや飲み込む力の低下など、様々な悩みを抱えています。

加齢によって起こる様々な病気や障害を予防するためにも、私たちは食べる意欲と楽しみを持ち続けていただくための工夫を重ね、介護予防のための食事に取り組む必要があります。

今回は、「食事」だけでなく個々の「食べるチカラ」を引き出すために、食器や環境などにも広く目を向けることが、高齢者が「おいしく、楽しく食べる」ためのチカラになるというお話をさせていただきます。

食事は、元気を作るもとです。しっかり食べていっしょに元気生活を目指しましょう。

まずは、高齢者の食事にかかわる、からだの変化を知っておこう!

ご自身やご家族、施設にお住まいの高齢者の方々のさまざまなサインをヒントに、からだの変化に気づくことが大切です。

例えば、

  • 食事を残すようになってないですか?   ➡ 食欲が減ってきた
  • やわらかいものを好むようになってきた? ➡ かむ力が弱くなってきた
  • 食事のときにむせたりしていないですか? ➡ 飲み込みにくくなってきた
  • 汁気のものがないと食べにくい?     ➡ 唾液が少なくなってきた
  • 濃い味を好むようになってきた?     ➡ 味覚が低下してきた
  • 一日の水分摂取量が減ってないですか?  ➡ 脱水になりやすい
  • 排便がつらくないですか?        ➡ 便秘になりやすい
  • 胃もたれなど不快感はありませんか?   ➡ 消化吸収力が低下してきた

などがあげられます。

中には気づきにくいサインもあります。いつもより少し気にかけて、からだの変化に気づくことができれば、変化に合わせた食事の工夫ができるようになるはずです。

「五感」を刺激して、いつまでも自分の力でおいしく食べたい!

加齢や病気など様々なからだの変化や機能低下によって要介護を予防するために、チャレンジして頂きたいことのひとつが、食事や食事環境で「五感」を刺激することです。なぜなら、「おいしさ」というものは、味(味覚)だけでなく、おいしい匂い(嗅覚)、おいしそうな盛り付け・器(視覚)、じゅ~ぅという音(聴覚)、硬さや柔らかさ・温度(触覚)が刺激されて感じているためです。
例えば、食欲がないとき、テーブルクロスやランチョンマットを明るい色に変えてみるだけでも気分転換になり、食べてみようかと思う気持ちになる場合があります。ちょっとしたアイデアで、食事を楽しむことからはじめましょう。
食べるチカラ

「食べるチカラ」はチームワークが大切です

「食べよう」という気持ちを支えるためには、栄養バランスを整えたり、食べやすい調理方法や味、あるいは盛り付けを工夫したりするなど、さまざまなことのチームワークが必要です。それらをうまく活用して、低下しつつある機能をサポートできればと思うのです。そして、いつまでも「おいしく、楽しく食べる」ことができるように、健老長寿を目指しましょう。