排泄の基礎知識(排尿編④):排尿障害のタイプと対策

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失禁をはじめとする排尿のトラブルには、さまざまなタイプがあります。また、その症状には個人差があり、同じ症状でも原因が異なる場合もあります。ひとりひとりに合った排泄ケアを提案することが重要です。

●排泄の基礎知識(排尿編①):数字で見る排尿の基本
●排泄の基礎知識(排尿編②):排尿のメカニズム~入口から出口まで~
●排泄の基礎知識(排尿編③):知っておきたい「男女の違い」
●排泄の基礎知識(排尿編④):排尿障害のタイプと対策
●排泄の基礎知識(排尿編⑤):トラブル予防の体操・訓練 [骨盤底筋群体操]
●排泄の基礎知識(排尿編⑥):トラブル予防の体操・訓練 [膀胱訓練]

排尿障害とは一体どんなもの?

「尿が出にくい」「尿がモレる」など、排尿に関するトラブルを排尿障害といいます。

症状によっては、日常の心がけで改善するものもあれば、しっかりと病院での治療を行わなければならないものもあります。正しい対処で快適に過ごすためには、自分で判断せず、専門医の診断を受けましょう。排尿障害には、具体的にどんなものがあるのでしょうか?

尿失禁(尿モレ)の種類について

自分の意志とは関係なく尿がモレてしまう排尿障害を「尿失禁」といいます。尿失禁は、その症状により以下のように分類されます。その症状と解決策を見てみましょう。

①腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

[症状] 咳やくしゃみ、走ったり跳んだりなど、お腹に力を入れた時にモレる。(出産を経験した中高年の女性に多い。)

[解決策] 体操で骨盤底筋群を鍛える。便通を整える。太りすぎない。

②切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

[症状] 我慢できずにモレる。したいと思うと我慢できずにモレる。(トイレの回数が増え、モレやすい。)

[解決策] 脳血管障害や膀胱炎など、原因となる病気の治療。訓練で膀胱を大きくする。体操で骨盤底筋群を鍛える。便通を整える。生活環境を見直す(バリアフリー化・福祉用具の活用)。

③溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

[症状] 尿が出にくい。残った尿がじわじわモレる。(ひどい頻尿ととらえられることが多い。

[解決策] 前立腺肥大や糖尿病など、原因となる病気の治療。カテーテル(管)を使って尿を出すなどして、残尿をなくす。

④機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)

[症状] トイレがわからない。トイレまで行けない。下着の処理ができない。(生活環境や運動機能に問題があり、排泄動作が間に合わない。)

[解決策] 原因となる病気の治療。生活環境を見直す(バリアフリー化・福祉用具の活用)。

⑤夜尿症(やにょうしょう)

[症状] 夜、睡眠中に尿がモレる。(子供の場合、精神の未発達、成人の場合、膀胱の異常収縮が原因。)

[解決策] 薬物療法など。

「尿失禁」以外の排尿障害とは

尿失禁の他にも、いくつか排尿障害はあります。トラブルが起きた時に対応できるよう、症状と解決策を把握しておきましょう。

  • 排尿困難(はいにょうこんなん)

 [症状] 尿が出にくい。(尿道・膀胱の機能低下。前立腺肥大、神経因性膀胱を起こす疾患の影響。)

 [解決策] 薬物療法で疾患を治療。導尿・留置カテーテルで泌尿器の機能をサポート。

  • 神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)

 [症状] 脊髄・脳神経が損傷し、膀胱機能が障害された状態。

 [解決策] 対症療法

  • 頻尿(ひんにょう)

 [症状] トイレに行く回数が多い。(日中8回以上・夜間1回以上)

 [解決策] 膀胱炎や前立腺肥大など、原因となる疾患を治療。訓練で膀胱を大きくする。カフェインを含む飲み物を摂りすぎない。ストレスを解消する。

●排泄の基礎知識(排尿編①):数字で見る排尿の基本
●排泄の基礎知識(排尿編②):排尿のメカニズム~入口から出口まで~
●排泄の基礎知識(排尿編③):知っておきたい「男女の違い」
●排泄の基礎知識(排尿編④):排尿障害のタイプと対策
●排泄の基礎知識(排尿編⑤):トラブル予防の体操・訓練 [骨盤底筋群体操]
●排泄の基礎知識(排尿編⑥):トラブル予防の体操・訓練 [膀胱訓練]

まとめ

排尿に関するトラブルを排尿障害といいます。尿がモレてしまう「尿失禁」をはじめ、尿が出にくい「排尿障害」、膀胱機能にトラブルが出る「神経因性膀胱」、トイレの回数が増える「頻尿」など、さまざまな排尿障害があります。それぞれの症状と解決策を知っておくことが、快適な介護につながります。

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