眠る前にお風呂に入る方も多いですよね。 入浴には体の汚れを落とし、一日の疲労を癒すリラックス効果のほかに、安眠を誘う効果があります。
私たち人間の自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り立っており、自分の意志とは無関係に、 状況に応じてどちらかの機能が優位になるなど常にバランスをとって働いています。
交感神経が優位になると血圧と体温が上昇し、脈拍・呼吸数ともに多くなり、精神的には緊張状態になります。 反対に副交感神経が優位になると、心身ともにリラックスし、血圧と体温も低下し、脈拍・呼吸数ともに少なくなります。 つまり、入眠体勢に入るには副交感神経が優位になっている必要があり、 お湯の温度によって、どちらの神経系が優位になるかが変わってきます。
熱いお湯は、その熱さがストレスとなるため、交感神経の働きを活性化して覚醒状態をもたらします。 それに対し、ぬるめのお湯に比較的長い時間つかることは、体の深部がゆっくりと温められるため、 血液の循環がほどよく活性化され、たかぶった神経を沈めてくれます。 このように副交感神経が優位になるため、安眠効果が期待できるのです。
入眠を促進するためには、脳や内臓の温度、つまり深部体温を下げる必要がありますが、 これは一見、、ぬるめのお湯といえども入浴して体を温めることと相反するようにみえます。 上がりすぎた体温を下げるのには時間を要しますが、ぬるめのお湯につかって適度に体温が上昇した場合は、 かえってそれを下げようとする作用が強く働きます。
もともと体温は夕方頃にそのピークを迎え、それ以降時間とともに徐々に下がっていきます。 この自然な体温低下の生理的リズムと、ぬるめの入浴によって上がった体温を下げようとする働きとの 相乗作用によって急速に体温が下がるのです。 このような理由から、快眠へと誘うには、ぬるめのお湯にゆっくりとつかることが効果的になるのです。 |